中絶と法律

母体保護法第14条について

中絶をするためには、主に母体保護法に基づいて行われることとなります。

 

 

 

 

 

 

【母体保護法第14条】

■第1項 都道府県の区域を単位として設立された社団法人たる医師会の指定する医師(以下「指定医師」という。)は、次の各号の一に該当する者に対して、本人及び配偶者の同意を得て、人工妊娠中絶を行うことができる。
・第1号 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康 を著しく害するおそれがあるもの。
・第2号 暴行若しくは脅迫によって又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの。
■ 第2項 前項の同意は、配偶者が知れないとき、若しくはその意思を表示することができないとき又は妊娠後に配偶者が亡くなったときには本人の同意だけで足りる。

 

法解釈とその他規定等としましては現在の状況は、望まない妊娠の多くの場合におきましては第一項第一条の「経済的理由」に当てはめて中絶の手術をすることが可能となっています。さらに妊娠22週目以降というのは、母体保護法にあります「胎児が、母体外において、生命を保続することのできない時期」を過ぎてしまっているので、中絶をすることは出来ません。

 

また10代の中絶に関してとなりますが、法律上の規定におきまして中絶に必要なのは本人と配偶者の同意だけとなっていることから、未成年であったとしましても親の同意を得る必要性は無く、親に内緒で中絶の手術をすることが可能とされています。
しかし、現実には保護者の同意をもらっていなければ中絶手術後に保護者から訴訟などに発展をしてしまう可能性もあることから、医療機関としては保護者の同意を取り付けておきたいというのが現状となります。

 

この人工妊娠中絶を行うことの出来る医師につきましても法律で規定されており、母体保護法指定医師として都道府県医師会が指定をしている母子保護指定医以外で中絶の手術をすることは出来ません。
この指定医以外が行ってしまった場合には、刑法により堕胎罪が認められます。
また、中絶を行った場合におきましては病院から中絶を行った届け出が必要となってきますが、この際に中絶を受けた人名は秘密とされ、プライバシーが損なわれる事態にはなりません。
中絶手術に関しましては保険の適用がされません。このことから、中絶にかかる費用は全て自費でまかなう必要があるのです。