人工妊娠中絶は「実施して終了」というワケではない
中絶というのは本来人工妊娠中絶と言われており、医学的な表現をしますと、胎児が母体外で生命を継続することの出来ない時期である妊娠22週未満に、 何らかの手術法によって人工的に胎児を流産、または早産させる事をいいます。
これ以降になってしまうと法的によって人工妊娠中絶をする事が不可能となります。
人工妊娠中絶は、母体保護法の第14条という法令で定められているように、一定の条件の基に是認されているのです。しかし条件としまして「妊娠の継続又は分娩が、身体的・経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれがある場合」さらには「強姦による妊娠」が存在しています。
「エッチしてたら出来ちゃったけど子供は要らないから堕ろす」などという、最近最もよく見られるケースにおきましては、前者法令の「妊娠の継続〜」の条件が拡大解釈されて人工妊娠中絶手術が実際に行われることとなります。
人工妊娠中絶は、現代の医療技術の向上によって、危険性が低くなってきたこともあり、「万が一出来てしまったら堕ろせばいい」などと事を簡単に考えてしまっている方が大勢いるようです。
しかし中絶手術というのは、手術にかかる時間こそ確かに短時間で終了しますが、実際にはかなり危険な手術と言えるのです。特に妊娠12週を過ぎてしまってから実施する中絶の場合におきましては、胎児がある程度の大きさにまで成長をしているので、分娩に近い形を取る事になることから当然、肉体的苦痛も伴うこととなります。
人工妊娠中絶は「実施して終了」というワケではありません。最終的には精神的と肉体的にも大きな傷が残る事も決して少ないとは言えません。最悪のケースで、再び妊娠する事が出来ない体になってしまったり、また中絶の手術が自殺の引き金となってしまうようなケースも実際に起こっているようです。
このような理由から、人工妊娠中絶というのは、女性にとりましては出来る限り避けた方が良い手術と言えるのです。まして妊娠させてしまった男性側が簡単に「堕ろせ」となどと言うのは許されないことなのです。もし「出来てしまったら堕ろせばいい」などと考えているようでしたら、最初から慎重に避妊をするようにしてください。法令で認められていて、なおかつ殺人罪にはならないとは言いましても自分の子になる命を消してしまう行為なのです。中絶手術をする前にもう一度よく考えてみてください。貴女のやろうとしているその中絶手術は本当に必要なことですか?