流産手術の方法と流れ

絨毛成分や胎児成分を掻き出し摘出

「流産手術」というのは「子宮頚部の拡張と子宮内容掻爬」と言われています。手術器具を子宮内まで挿入する必要があることから子宮の入り口を開き、その後子宮の中に残存している組織である絨毛成分や胎児成分を掻き出し摘出をしていきます。

 

手術前の準備としましては、すでに数回の分娩を経験している方や進行流産をしてしまっている方はすでに子宮頚部が開いていることから、少しだけ頸管を開かせるか、またはそのままでも手術器具を挿入することが可能となります。事前に何の準備がされていなかったとしましても、直ぐに手術を受けることが出来ます。しかしこれまで分娩を経験したことのない方や子宮頸管が全く開いていない状態におきましては、事前に準備をする必要があります。手術が決定し、頸管が開いていない時には、子宮の頸管を拡張するための前処置を実施することとなります。

 

まず最初に膣内を十分に消毒をして、子宮頚部をつまみ下に少し引っ張る感じで子宮頚部にラミナリアやラミセルなど時間が経つと膨張したり子宮頸管が柔らかくなったりするものを挿入していきます。これらはマッチ棒の角を丸くしたような太さと大きさをイメージしてみるとわかりやすいと思います。子宮頚管の狭いところに詰め込むように挿入をしていくので痛みを伴うこととなります。
流産手術の具体的な方法としましては、先程のラミセルなどを挿入して数時間経過しますと、子宮頸管が広がってくることから手術器具が子宮内まで挿入することが可能となってきます。この準備をした後に内診台や手術台に乗り、内診の時のような姿勢をとることとなります。手術中は看護師さんが必ず一名助手として付いてくれます。

 

子宮頸管をもう少し広げる必要が出てきた時には、専用の器具を使用し、子宮頸管を拡張していきますので、痛みが生じてしまいます。このことからこのあたりから静脈麻酔などで意識や痛みを取り除いていきます。当たり前のことですが、麻酔中の血圧や呼吸の状態などは枕元あたりにいる看護師さんや医師が常に監視をしているのでご安心ください。

 

流産手術の手術時間は5〜10分くらいで終了します。 終わりましたよと声をかけられたことも覚えていないかもしれませんが、 しばらくはベッド上で安静をする必要があります。 一般的には2時間程度経過しますと、意識も完全に戻りトイレなどに行くことが出来るようになります。
日帰り手術を行っている病院では数時間、そうでないところでも翌日には退院をすることが出来ます。