完全流産と不全流産

胎児や組織が完全に子宮外に流れてしまうことを「完全流産」

胎児や組織が完全に子宮外に流れてしまうことを「完全流産」といいます。また一部の組織が残されることを「不全流産」と言います。つまり、完全に流産をしてしまうこととなるので、無事に胎児を産むことは不可能なのです。
この完全流産を一度経験してしまうと、妊娠に対する罪悪感が生まれてしまう場合もあり、その後の出産に大きな精神的ダメージを与えてしまうことがあります。とにかく完全流産という残念な結果となってしまった時には、自分自身だけではなく、パートナーである旦那さんと協力をしてケアをする必要があるのです。

 

完全流産の症状としましては、強い下腹部の痛みと大量の出血をともなっているいわゆる進行流産後の状態となります。赤ちゃんとその付属の組織は全て、子宮からはがれてしまっていることから血のかたまりとなって子宮外に流れてきてしまいます。
子宮は非常に固く小さくなり子宮頚管は閉じ始めてしまい、心拍や赤ちゃんは当然のことですが、胎のう自体も確認をすることが出来ません。

 

完全流産の治療は医師によりまして治療方法が少々異なっています。手術をすることの無い場合が多くなっており、薬だけを処方される場合も医師によってあります。さらに進行流産中におきましても、完全流産になるまで様子を見るといったこともあります。

 

次に不全流産の症状ですが、これは陣痛の時のように強くなったり弱くなったりする痛みが継続して続き、大量の出血を伴い子宮頚管が開いていってしまいます。
そして最終的に胎のうが変形してしまい、赤ちゃんや付属組織などが血のかたまりとなって流れて出てしまいます。この時、心拍や胎児を確認することは出来ません。

 

不全流産の治療としましては、子宮内に存在している赤ちゃんや組織を取り除く手術である子宮内容除去術をする必要があります。これを放置してしまうことにより感染症を引き起こしてしまう可能性があるので、掻爬(そうは)と言われている子宮内の組織をかき出す治療を受ける必要があるのです。

 

誰でも完全流産や不全流産というのは非常に辛いことです。しかしこれらの流産を経験した女性の多くは、次回出産に成功をしている人が多くいるのです。精神的なダメージは大きいかと思いますが、それを乗り越えてこそ幸せを掴むことが出来るのです。
言葉では簡単に言うことが出来ますが、やはり難しいこともあるでしょう。しかしだからと言ってそこで諦めてしまっては、流産してしまった経験が無駄に終わってしまうのです。