薬による中絶

プレグラディン(プロスタグランジン製剤)という薬

一般的に、中絶をする時期というのは、妊娠12週程度までと言われています。この理由としましては、胎児が妊娠12週以降になってしまいますとある程度の大きさにまで成長をし、分娩と近いかたちでなければ胎児を摘出することが出来ないという事と、12週目以降や胎児の体重が500g以上にまで成長をしている時の中絶は死産としての扱いとされてしまい、妊婦が死産届けを行政に提出しなければいけないのです。
ただし12週目以前、または体重が500g未満の場合におきましては流産として扱われることとなるので死産届けは必要ありません。
このことから母体保護法による規定におきましては妊娠21週6日までは中絶を行うことが出来ますが、12週以前に行われる事が多くなっているのです。

 

そんな中絶方法には、薬を使って行うものと手術で行うものがあります。
中絶を行う時に使用することとなる薬品というのはRU-486であり、一般的には「ミフェプリストン」と呼ばれている薬です。
これによって妊娠状態を維持するのに必要となってくるプロゲステロンというホルモンの作用を強制的に止めてしまうことにより、流産を引き起こさせてしまうのです。
この薬の使用可能な時期としましては、妊娠後49日以内となっており、子宮外妊娠やその他の場合には利用することが出来ません。
この薬品は2004年には個人におきましての譲渡や販売が禁止されていましたが、医師の処方に基づいた場合に限り利用することが可能となっています。

 

そして妊娠12週目以降の中絶の場合におきましては、プレグラディン(プロスタグランジン製剤)という薬を使用することによって人口的に陣痛を引き起こし、分娩と同様の方法で中絶を行うこととなります。
手術による中絶の方法というのは、妊娠初期(12週以前)と中期(12週以降)で異なっています。
この理由としましては、胎児の大きさがどの程度かによって、簡単な手術で中絶をすることの出来る場合と分娩と同様の方法で中絶をする場合が分かれるからとなります。

 

薬による中絶方法での成功率というのは92〜95%ほどとされており、母体の状態によってまれに多量出血などが発生してしまい、早急な手術が必要になってしまうケースもあります。
薬の副作用も非常に強くなっており、数時間から数日は腹痛や出欠、また吐き気などの症状を伴うこととなります。
もちろん手術による方法は成功率はほぼ100%となっており、薬ほどの辛さはほとんどありません。しかし当然のことながら費用などの面では薬よりも高めに設定されています。