習慣流産と反復流産

流産を連続して二回繰り返してしまうことを「反復流産」

流産を連続して二回繰り返してしまうことを「反復流産」といい、そして三回以上繰り返してしまうことを「習慣流産」と言います。もともと流産というのは、染色体の異常が原因となっていることから独立的な出来事として起こってしまうものです。

 

実際に流産を経験していない人と、一回でも流産を経験してしまった人が、次回の妊娠で流産をしてしまう確率というのは15%程度と変わりはありません。しかし、二回流産を経験した人が三回目に流産をしてしまう確率は20〜30%で、さらに三回以上経験をしている人が次に流産をしてしまう確率は50%となっているのです。つまり流産を繰り返してしまう度にその確率が上がってくるのです。

 

この習慣流産の原因となってくるのが「細胞遺伝子学的異常」というものがあります。つまりパートナー双方の染色体に異常がある場合ということです。私達というのは一見普通に生活をしていたとしましても、実際に調べてみますと染色体に異常を持ている人が少なからずいるようです。そして親に染色体の異常が見られると、それが赤ちゃんにも発生してしまい、流産をしてしまう確率が上がることとなるのです。

 

そして「解剖学的異常」もあります。最初に「子宮奇形」がありますが、子宮の形が生まれつき問題のある人のことであり、「単頸双角子宮」「単角子宮」「双頸双角子宮」「中隔子宮」などが存在しています。
次に「子宮頚管無力症」ですが、通常は閉じている状態でなければいけない子宮口が開いてしまっている病気のことです。この病気が早期にわかっていれば子宮口を縛ることで流産を防ぐことが可能となっています。
また「子宮筋腫」は、できてしまった場所や大きさによって強い影響を受けることがあります。粘膜下筋腫や筋層内筋腫の場合ですと、流産をしてしまう確率が上がります。

 

その他いくつかありますが、中には原因不明という場合もあります。実は習慣流産の原因で最も多くなっているのがこの原因不明なのです。実に全体の70%が原因不明となっています。このような場合におきましては、「同種免疫反応異常」の治療を行なっています。

 

このように習慣流産はその原因がわかっている時にはその治療を行なっていくこととなります。手術をしたりリンパ球の移植などといった治療、そして投薬などの簡単な治療などが挙げられます。最近では漢方を使用した治療も広まっているようです。基本的には他の治療と併用していくことが多くなっていますが、副作用も報告されているのでまだまだ完全な治療方法とは言えません。